Dewatering of casein curd by mechanical compression


Nakakura, H.; Yamaguchi, T.; Komatsu, T.; Sambuichi, M.; Osasa, K.

Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 46(3): 131-137

1999


Dewatering process of casein curd by mechanical compression was experimentally investigated by measuring decreases in curd gel thickness and in electrical conductivity within the curd gel. The dewatering process of casein curd under constant pressure compression could be analyzed as the consolidation process of semi-solid materials. Modified consolidation coefficient Ce was obtained as a constant value at each pH value in the range of 26-282 kPa, and the value of Ce had a maximum at the isoelectric point (pH 4.6). In order to assess more accurately the consolidation process of casein curd, the secondary consolidation effect of casein curd should be taken into account. The expression process under constant pressure could be reasonably analyzed by evaluating the creep constants B and 77 on the basis of the secondary consolidation theory.

(15
)
Nippon
Shokuhin
Kagaku
Kogaku
Kaishi
Vol
.
46
,
No
.
3
,
131
~137
(1999
)
[報文)
ゼイ
の定圧圧搾脱水
中倉英雄*・山口友法**・小松朋弘***
三分一政男****・大佐々邦久*
Dewatering
of
Casein
Curd
by
Mechanical
Compression
Hideo
NAKAKURA
*,
Tomonori
YAMAGucHI
**,
Tomohiro
KoMATSu
***,
Masao
SAMBu
にHI
****
and
Kunihisa
OSASA
*
申Department
Applied
Chem
おtry
and
Chemical
Eng
加eering
,
Yamaguchi
Universi
2557
Tokiwadai
,
Ube
-shi
,
Yamaguchi
755
-8611
車中m
おub
おhi
Kagaku
Co
.
Ltd
.,
Yaha
加Nishiku
,
Kita
如ushu
-shi
,
Fukuoka
806
-0021
***
Hiroshima
Gas
Co
.
Ltd
.,
Kai
加cyo
,
Akigun
Hiroshima
736
-0056
申申申申
Ube
Nat
加nal
College
可Technology
,
Ube
-shi
,
Yamaguchi
755
-8555
131
Dewatering
process
of
casein
curd
by
mechanical
compression
was
experimentally
investigated
by
measuring
decreases
in
curd
gel
thickness
and
in
electrical
conductivity
within
the
curd
gel
.
The
dewatering
process
of
casein
curd
under
constant
pressure
compression
could
be
analyzed
as
the
consolidation
process
of
semi
-solid
materials
.
Modified
consolidation
coefficient
ce
was
obtained
as
a
constant
value
at
each
pH
value
in
the
range
of
26
-282
kPa
,
and
the
value
of
Ce
had
a
maximum
at
the
isoelectric
point
(pH
4
.6
).
In
order
to
assess
more
accurately
the
consolidation
process
of
casein
curd
,
the
secondary
consolidation
effect
of
casein
curd
should
be
taken
into
account
.
The
expression
process
under
constant
pressure
could
be
reasonably
analyzed
by
evaluating
the
creep
constants
B
and
on
the
basis
of
the
secondary
consolidation
theory
.
(Received
Aug
.
3
,
1998
;
Accepted
Nov
.
17
,
1998
)
寒天やゼラチンに代表される,いわゆるゲル状物質の
圧搾脱水操作は,食品や発酵工業のみならず,余剰活性
汚泥や油ゲル化物の廃液処理など広範な分野で適用され
ている.筆者らは,前報1
)2
)で寒天ゲルおよび油ゲル化剤
の添加による各種油ゲルの定圧圧搾実験を行い,従来の
圧搾理論に基づいてゲル状物質の圧搾脱水機構を考察し
た.本研究の対象であるカゼインカードは,牛乳等に含
まれているリンタンパク質の一種であり,一般に等電点
で凝固沈殿ののち,機械的脱水操作および乾燥操作を経
て工業的に生産されている3
カゼインカードは,
加工
製紙用,接着剤の原料をはじめ,顔料,合成繊維などそ
の工業的用途が広い.
しかしながら,寒天ゲルなどに比
べてゲル強度が弱く,
また凝集状態のわずかの相違に
よってゲル特性が大きく変化するため,機械的圧搾脱水
に関する定量的な報告は極めて少ない.Vu
ら4
)は,洗浄
カゼインカードの定圧圧搾実験を行い,圧搾過程が半固
体状試料の圧密と類似した脱水挙動を示す事を明らかに
した.
しかしながら,圧搾脱水プロセスの設計計算に活
用しうる理論的解析までは言及しなかった.
本研究では,
カゼインカードの定圧圧搾特性に及ぼす
圧搾圧力,溶液pH
の影響について実験的に検討した.
さらに,二次圧密の影響を考慮した半固体状試料に関す
申山口大学工学部(〒755
-8611
山口県宇部市常盤台2557
)
“三菱化学(株)
(〒806
-O021
福岡県北九州市八幡西区黒崎)
'“広島ガス(株)
(〒736
-O056
広島市安芸郡海田町明神町)
申申中*宇部工業高等専門学校(〒755
-8555
山口県宇部市常盤台)
132
日本食品科学工学会誌
第46
第3
号1999
年3
16
)
る白戸・村瀬らの圧密基礎式5
)に基づいて,定圧圧搾過
程を理論的に解析した.
L
試料の調製法
カゼインカードの調製は,MUNR06
)
の方法に基づい
た.市販のスキムミルク粉末(森永乳業(株)製)を50C
のイオン交換水中で10
分間加熱溶解し,
これを真空ポ
ンプで脱気後,
マグネティックスターラーで撹拌しなが
ら0
.5
N
の塩酸水溶液を用いて所定のpH
値に調整す
Electrode
Start
1A
,
lB
Stop
2
..
I '
1
2
r5
る.
20
℃で約1
時間静置してカゼインカードを沈殿させ
る.上澄みのホェーを除去後,同容量の脱イオン水を加
えて洗浄する.
この洗浄操作を3
回繰り返し行う.室温
で一昼夜静置後,
170
メッシュのステンレス製金網を用
いてカゼインカードとホェーを再分離後,
さらに真空ポ
0
0
ンプで脱気して実験試料とした.
2
毛管吸引時間(CST
値)の測定
Reservoir
調製したカゼインカードの濾過特性を表す簡易的指標
として,毛管吸引時間(CST
値)の測定7
)8
)を行った.装
Slurry
置の概略をFig
.
1
に示す.試料をステンレス製円筒(内
Block
径1
.8cm
)に注入すると,毛管吸引力の作用によって液
が濾紙(Whatman
No
.
17
クロマトグラフィー用)
に吸
Filter
paper
収されほぼ円形状に広がる.濾液が同心円上に設置した
Base
プローブ電極間を通過するに要した時間(秒)がCST
値として表示される.
Fig
. 1
Schematic
diagram
of
capillary
suction
3
圧搾装置および方法
time
apparatus
定圧圧搾実験装置の概略をFig
.
2
に示した.圧搾セル
には前報5
)2
)と同様に内径70
mm
のアクリル製ピスト
ン・シリンダー型圧縮透過セルを使用した‘セルにカゼ
インカードを仕込み,
ピストン上部より一定荷重を加え
て,
20
℃一定温度下で定圧圧搾実験を開始した‘カゼイ
ンカードの層厚さL
の経時変化をダイヤルゲージで測
定した.
また,定圧圧搾中のゲル層の導電率変化を測定
するため,一対の白金円盤電極(直径5
mm
)を取り付
けて,電気抵抗値を交流式抵抗器(LCR
メーター)によ
り測定したI
),容器定数は,
あらかじめ0
.01
N
の塩化カ
リウム水溶液を用いて電極間距離の関数として決定し
た.なお,濾材(アドバンテック(株)製濾紙,No
.5
A )
は,
ピストン側にのみ取り付け片面排水とし,
カゼイン
乾燥固体濃度亀が12
wt
.%と一定,圧搾圧力p
が26
-'
282
kPa
,溶液pH
が3
.7
-'4
.8
の範囲で実施した.
実験結果および考察
1
.
毛管吸引時間(csT
値)
Fig
.
3
はカゼインカード,ゲル濃度与'l2wt
.%にお
けるCST
値(9csT
)をカード調製時のpH
値に対してプ
ロットした結果である.
GcsT
が最小となるpH
値は,
ゼインカードの等電点pH
4
.69
)にほぼ近似する.
これ
は,等電点においてゲル弾性が大なカード凝固粒子が形
成されることに起因するものと考えられる.
このこと
は,後述するクリープ定数B
の結果とも関連する.
2
圧搾脱水特性
(1
)定圧圧搾過程
Fig
.
4
はゲル濃度s9
=12
wt
.%,溶液pH
4
.0
と一定
で,圧搾圧力p
が37
.9
および281
.7
kPa
の場合における
ゲル層厚さL
対時間U
の平方根万との関係を示した.
寒天ゲルや各種油ゲルの場合2
)と同様に,圧搾圧力p
高いほど圧搾速度は増加し,
また最終ゲル層厚さL
”も
中倉・他;カゼインカードの定圧圧搾脱水
133
150
100
0
Weight
C
-P
cell
Dial
gauge
Recorder
\
0
o
Indicator
Switc
box
~0
(A
)
吉i
離r
Coole
0
Water
bath
00
Pump
Air
vent
Piston
Cylinder
Per
おrated
回ate
Filter
paper
Gel
Rubber
sheet
f70
orf
5
i
g
f178
(B
)
Fig
.
2
Experimental
apparatus
(A
)
Schematic
diagram
of
gel
compression
.
(B
)
Compression
-permeability
cell
.
l
4
PH
0
4
.6
I
5
Fig
.
3
Effect
of
solution
pH
on
capillary
suction
time
OcsT
小となる.
Fig
.
5
はゲル濃度与=l2wt
.%,圧搾圧力p
=45
.1
kPa
と一定で,溶液pH
値が異なる場合のゲル層厚さL
対時
間e
の平方根万との関係を表す.
カゼインカードは,
pH
値のわずかの差異によって生成されるカードの凝固
状態に差異を生じる.
したがって,圧搾過程は溶液pH
値によって大きな影響を及ぼされる,
この場合,等電点
pH
4
.6
の時,最も高い圧搾脱水速度を示したが,
これは
Platinum
electrode
Platinum
electrode
' l
I
50
100
150
J
[s
]
20
Fig
.
4
Relationship
between
gel
thickness
L
and
time
、ノO
一at
pH
4
.0
叫=12
wt
.%)
0
.
p
一37
.9
kPa
;△
,
p
一281
.7
kPa
.
Fig
.
3
のCST
値測定結果からも明らかなように,等電
点において高透過性のゲルケーク層が生成されたことに
起因すると考えられる.
L
対万の関係を通常の圧搾解析で用いられる点綴法,
すなわち一4L
/
4
万対0
の関係にプロットしたのが
Fig
.
6
である.
ここで,
4L
は単位濾過面積当りの搾液
量4L
=(L
-Lo
)である.
カゼインカードの定圧圧搾過
程は,圧搾開始時よりいわゆる半固体状試料の圧密過程
と類似した脱水挙動を示す.
(2
)導電率測定
Fig
.
7
は定圧圧搾中のカゼインカード層の導電率'C
134
日本食品科学工学会誌
第46
第3
号1999
年3
(18
)
20
-0
.10
th
父0
・05
L
,.
100
200
300
万[SO
一S
]
Fig
.
5
Relationship
between
gel
t
血ckness
L
and
time
v
ノりーat
p
=45
.1
kPa
叫=12
wt
.
%)
ロ,
pH
4
.0
; 0 .
pH
4
.6
;●
,
pH
4
.8
.
10
一3
J
[s
]
Relationship
between
electrical
con
-
ductivity
of
the
curd
gel
ic
and
time
西
at
pH
4
.6
(Sg
=
12
wt
.%)
0
,
p
=
74
.4
kPa
; L ,
p
=
209
.4
kPa
.
Fig
.
7
0
.
0
霜叩=
18
.3
s
。・5
8
Es
]
1
1
10
'
105
10
1
5
100
50
涯[S
。・5
]
0
Fig
.
8
Experimental
analysis
for
semi
-solid
consolidation
s6
=12wt
.%,
pH
4
.8
,
p
=281
.7kPa
,
AC
/AB
=
1
.15
,
w0
=2
.21
X
10
一J
m , C -
1
.24
X
10
一8
m2
/s
,
,,,,,,,T
, , ,
,,,a
I l
'l"I
l
I
「1
l
""'1
1
,,,.rn
,
"."j
-
.
,,,!,I
-
!
-UmI
l
」HI
」l
'
I
10
-v
1
10
102
10
1
1
106
0
[s
]
Fig
.
6
Relationship
between
-
4L
/4
s
/rand
0
(s6
=12
wt
.%)
0 ,
pH
4
.0
,
p
=26
.1
kPa
;△
,
pH
4
.6
,
p
=281
.7
kPa
.
時間0
の平方根万に対して表わした結果である.前報
で報告した寒天バルクゲルの場合D
には,濾材面上に濃
厚ゲル層が形成されるため,
K
値は圧搾の経過とともに
増大したが,
カゼインカードの場合はこれとは全く異な
り,
'C
値が圧搾の進行とともに単調に減少する傾向を示
した.
このことは,圧搾の経過とともにゲル層内の間隙
水が高さ方向によらず均質に流出することを示唆する‘
すなわち,
カゼインカードの圧搾操作は,半固体状試料
の圧密プロセスとして取り扱いが妥当なことが導電率測
定より明らかとなった.
3
圧密過程の解析
カゼインカードの圧搾脱水過程は,半固体状試料の圧
密として解析を行う‘のが合理的と考えられる.
(1
)圧密基礎式
半固体状試料の定圧圧搾過程は,Terzagm
式を修正
した白戸・村瀬らの理論式10
),
(1
)式で与えられる.
ー-
Ll
~L
. =
g
LI
.三云二L
=1
一裏1
(2N
-1
)2ff2
Xexp
I
(2N
- 1
)2ir
!i2C ,01
4
)o
'
J
(1
)
ここで,
Ll
は圧密開始時のゲル層の厚さ,
L
.は圧密
平衡時(a
=00
)のゲル層厚さ,
8
.は圧密期間に入って
からの経過時間,
i
は排水面の数,
coo
は単位濃過面積当
りの極値ゲルl
)の体積,N
は級数における正の整数であ
る.q
は修正圧密係数と呼ばれる圧密特性値であり,
の値は,実測曲線”c
対瓦と(1
)式の理論曲線U
.対面
(19
中倉・他:カゼインカードの定圧圧搾脱水
135
とが互いに相似であるとした,
いわゆるFitting
法I0
)に
よって算出することができる.すなわち,
Fig
.
8
に示す
ように搾液量”c
(=L1
-L
)対時間瓦の普通グラフ上
のプロットにおいて,原点より直線OB
を引き,その接
線と1
.15
倍の勾配で直線0C
を描く.直線CC
と実測曲
線との交点C
ノより90
%圧密時間990
を求め,次式より
a
の値が算出される.
0
.848
・(0n2
G
=ー-ーニーv
ego
(2
ゲルの固体質量
ゲル状物質の圧搾脱水の場合,
(00
の見積りにおいて
は機械的圧搾によって除去不可能な束縛水分量を考慮し
た次式の適用が重要であるI
).
{o
+p
,,
(6
-1
)}wa
(00
=
pp
,
ここで,p
,はカゼインカードの真密度(1
400
kg
/m3
)6
),
p
は液体の密度,βは極値ゲルパラメータ2
)である.
Fig
.
9
は,圧搾平衡時におけるゲル質量u
ノ中と105C
乾燥質量Wd
との比(w
”ノWa
)を圧搾圧力の逆数(1
ゆ)
に対してプロットした結果である.前報で報告した寒天
ゲルや油ゲルの場合2
)と同様に,
(1
/p
)-.0
に対する
(w
”ノWd
)の限界値より,カゼインカードについてβ=1
.0
と近似算出された.
したがって,
カゼインカードの場合
におけるCOo
の値は次式で与えられる.
Coo
=竺生
p
,
(3
)修正圧密係数q
Fig
.
10
は,種々のpH
値におけるカゼインカードの
定圧圧搾実験値に対して,上記の解析法を適用して算出
した修正圧密係数a
対圧搾圧力p
の関係を表すm
a
の値は等電点pH4
.6
のとき,最も高い値を示し,等電点
より酸性側および塩基性側に移行するにつれてc
値に
はかなりの低下が認められた.
この理由としては,前述
のようにpH
値の違いによるカゼインカードの凝固状態
の相違に起因する.
しかし,a
の値は,本実験の操作範
囲内において,圧搾圧力p
に依存せず,各pH
で一定値
を示した.
これは,余剰活性汚泥の圧搾結果12
)に類似す
る.
(4
クリープ効果を考慮した解析
クリープの影響を考慮した半固体状試料の定圧圧搾基
礎式として,次式が与えられる5
)13
).
U
.,三去霊=(1
-B
)
.
[i
雄i
(2N
'1
)2
Xexp
{
(2N
-1
4)
認i2Cec
}J
+B
{1
一exp
(ー'7a
)}
ここで,B
および刀はクリープ定数と呼ばれる値であ
る.一般に,二次圧密速度は一次圧密速度より小さく,
1
I
l i
i
i-
~
1
8
0
1
.
.
二-
l
10
-v
(4
)
10
-s
oa
R
2
1
/pX10
[1fPa
]
15
Fig
.
9
Relationship
between
ratio
of
gel
mass
to
dry
mass
(WO
/Wd
)
and
reciprocal
pressure
(1
/p
)
at
the
expression
equili
brium
Ii
,
Casein
curd
; 0
,
Agar
-agar
gel
;
LI
.,
Heavy
oil
gel
;ロ,
Salad
oil
gel
.
10
1
p
[kPa
]
1
Fig
.
10
Relationship
between
modified
con
-
solidation
coefficient
Ce
and
expression
pressure
p
(sg
=
12
wt
.%)
0 ,
pH
4
.6
;●
,
pH
4
.8
;ロ,
pH
4
.0
; A ,
pH
3
.7
.
136
日本食品科学工学会誌
第46
第3
1999
年3
(
20
)
刀《fi2a
/4cc
げとおけるため,圧密時間が十分経過し
た場合(a
>>0
)において,
(5
)式は次式に近似できる.
a
=1-B
・exp
(一刀a
)
したがって,圧搾実験結果をFig
.
11
に示すように(1
-a
)対a
の関係に片対数紙上にプロットすると,a
0
における直線のa
=0
への外挿値および直線勾配より
クリープ定数B
および刀が第ー近似値として算出され
る.
(5
)式に基づく計算値がU
,,対面の実測曲線によく
合致するように,試行錯誤計算法によりB
および刀の値
を定めたn
),
クリープ定数B
および刀に及ぼす溶液pH
の影響を
圧搾圧力p
をパラメータとしてFig
.
12
に表わした.B
の値はクリープの生じ易さを示し,全圧密量に対する二
次圧密量の比として定義される.
クリープが無視できる
場合はB
=0
,圧密が二次圧密支配の場合はB
=1
とおけ
る.B
の値は圧搾圧力p
に依らず,等電点近傍(pH
4
.6
)
で最小値田=0
」)を示した.
これは既報13
)のソルカフ
ロック
田=0
.075
)とみりんもろみ田=0
.15
)のほぼ中
間値に位置する.
またクリープ定数刀は,二次圧密速度
に関係する値である.
カゼインカードの場合,本実験操
作範囲では溶液pH
および圧搾圧力p
の違いによる影響
は顕著には認められず,半固体状の朝鮮カオリンスラ
リー
(刀=5
.2x
10
一5
s
一')'3
)および余剰活性汚泥(刀=
3
.3
X10
→s
一り12
)とほぼ同程度の値が得られた.
前述の方法で算出した修正圧密係数q
値およびク
リープ定数B
,刀の値を用いて理論式(5
)式に基づいて圧
搾過程を理論計算した.その結果の一例をFig
.
13
中実
線で示した.本実験操作範囲においては,圧密の全期間
にわたって計算値は実測値とほぼ良好な一致が得られ
1
1
30
20
I
I
l
0
~.6
5
I
4
pH
0H
(
l
Fig
.
12
Effect
of
solution
pH
on
creep
con
-
stants
,
B
and
,
(Sg
=
12
wt
.%)
0 L ,
p
=26
.1
kPa
;①△
, p
=37
.9
kPa
;
cj
ik
,
p
=45
.1
kPa
;
t
A
, p
=74
.4
kPa
;●
A , p
=281
.7
kPa
.
T0
.4
ゴ0
.6
0
.8
L0
0
300
100a
[so .5
]
200
[s
I
Fig
.
13
Comparison
of
experimental
and
cal
-
culated
results
for
curd
gel
thickness
L
叫=12
wt
.%)
Solid
curves
were
calculated
from
Eq
.
(5
).
Dotted
curves
were
calculated
from
Eq
.
(1
).
O
,P
=74
.4kPa
,
pH
4
.6
; A
,p
=26
.1
kPa
,
pH
3
.7
.
た.なお,図中の点線は,二次圧密を考慮しない場合の
理論式(1
)式に基づく計算値であり,圧密の終期におい
て実測値とかなりの相違を生じた.
したがって,
カゼイ
ンカードの定圧圧搾プロセスに対する本解析法の有用性
が明らかとなった.
=5
.86X
10
-5s
~'
「B
=0
.159
0
.010
5000
10000
0
,,
[s
]
15000
Fig
.
11
Experimental
determination
of
creep
constants
,
B
and
,
Sg
=
12
wt
.%,
pH
4
, p
=45
.1
kPa
(
21
)
中倉・他:カゼインカードの定圧圧搾脱水
137
カゼインカードの定圧圧搾特性に及ぼす圧搾圧力およ
び溶液pH
の影響について検討した結果,以下の知見が
得られた.
(1
カゼインカードの定圧圧搾過程は,半固体状試料
の圧密として解析が可能であった.
(2
)修正圧密係数c
の値は,圧搾圧力p
に依らず溶
液pH
に依存してほぼ一定値となり,等電点pH
4
.6
の場
合,最も高い値を示した.
(3
カゼインカードの圧密解析においては,
カードの
二次圧密の影響を考慮することが不可欠であった.修正
圧密係数a
およびクリープ定数B
,りの値を用いれば,
定圧圧搾過程が精度良く推算可能なことを示した.
1
)
SAMBUICHI
,
M
.,
NAKAKURA
, H
.,
NISHGAKI
, F .
and
OSASA
,
K . : J.
Chem
.
Eng
.
Japan
.
27
,
616
(1994
).
2
中倉英雄・西垣
太・松岡敏文・三分ー政男・大
佐々邦久:日食科工,
43
,
674
(1996
).
3
)
SOUTHWARD
,
C
.R
.
and
WALKER
, N
.J
.
:
New
Zea
-
4
)
land
J
Dairy
Sci
.
Techn
.,
15
201
(1980
).
Vu
,
J
.T
.
and
MUNRO
,
P
.A
.
:
New
ZealandJ
Dair
Sci
.
Techn
.,
16
,
265
(1981
).
5
)
SHIRATO
,
M
.,
MURASE
,
T
.,
TOKUNAGA
, A .
and
YAMADA
, 0
.
: J
Chem
.
Eng
.
Japan
,
7
,
229
(1974
).
6
)
MUNRO
,
P
.A
.
:New
Zealand
J
Dairy
Sci
.
Techn
.,
15
,
225
(1980
).
7
)
GALE
, R
.S
.
:
Solid
/Liquid
Separation
Equip
-
ment
Scale
-up
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Press
Ltd
.,
Croydon
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p
.
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(1977
).
8
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36
,
239
(1986
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HARRIS
,
P
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York
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121
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10
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713
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12
川崎健二・松田
晃・村瀬敏朗・化学工学論文
,
16
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1241
(1990
).
13
)
SHIRATO
, M
.,
MURASE
, T
.,
ATSUMI
,
K
.,
NAGAMI
, T
.
and
SuzuKi
,
H
.
: J
Chem
.
Eng
.
Japan
.
11
,
334
(1978
).
(平成10
年8
月3
日受付,平成10
年11
月17
日受理)
9
)